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僕がいちばん気になる違いはズーム。Pocket 3から何もかも変わるというより、広い景色の次に「もう少し寄りたい」をどう撮るかです。3の画角で困っていないなら、買い替えの理由も急いで作らなくてよさそうです。
僕はPocket 3も4Pも使っています。印象を先に言うと、「3から4Pになって、何もかも別物!」という感じではありません。でも、細かいところが気になる。なかでも一番は、やっぱりズームです。
広くきれいに撮れるのは分かった。そのうえで、もう少し寄りたいときにどうなるのか。高い方を買う意味があるとしたら、僕はそこを見たい。この記事では、その感想を出発点に、公式仕様を具体的な撮り方へ置き換えて考えてみます。
「Pocket 3でも十分きれいに撮れる。それでも4Pに替えると、何が変わるのか」。買い替えで知りたいのは、新機能の数より、いつもの撮影でその違いを使う場面があるかどうかでしょう。
散歩の景色を広く写し、自分にカメラを向けて話す。この撮り方なら、まず確かめたいのは今の3で何に困っているかです。一方、旅先で同行者の表情を残す、建物の装飾を抜く、カフェの手元を撮る。こうした「全景の次に、もう一歩寄ったカットが欲しい」場面では、4Pの中望遠と操作系が選択の中心になります。
このページはOsmo Pocket 4PとPocket 3の比較です。20mmの広角に60mmの中望遠を加えた4Pを扱います。広角カメラを搭載する通常の「Pocket 4」とは分けてお読みください。
買い替えに関係する違いだけを先に整理
| 比較する点 | Pocket 3 | Pocket 4P | 撮る人への意味 |
|---|---|---|---|
| レンズ | 20mm・f/2.0 | 20mm・f/2.0+60mm・f/1.8 | 広い画だけでなく、人物や細部を切り取る専用カメラが加わる |
| ズームの見方 | 4K動画は最大2倍のデジタルズーム | 3倍位置に専用の中望遠。動画は最大12倍 | 最大倍率より、普段使う画角と画質を確認したい |
| 広角の最短撮影距離 | 0.2m | 0.09m | テーブル上の小物や手元を撮る際の選択肢が変わる |
| 画面の公表輝度 | 700nit | 1000nit | 屋外での確認に関係。ただし反射や角度による見やすさは実機で確認 |
| 内蔵保存領域 | なし | 利用可能103GB | カード以外の記録先を持てる。撮影後の取り出し方も考える |
| 本体重量 | 179g | 230g | 差は51g。握りやすさや重心は重量だけでは決まらない |
仕様の出典:DJI:Pocket 3仕様、DJI:Pocket 4Pの比較表・FAQ。最大ズーム倍率と、専用レンズの倍率は同じ意味ではありません。
一番の判断軸は、ズームで「何を撮り足せるか」
3倍は、広角を拡大するだけの機能ではない
Pocket 3のズームはデジタル方式です。解像度によって上限が異なり、4Kでは2倍、2.7Kでは3倍、1080pでは4倍。倍率の数字だけを見て「3にも4倍がある」と比べると、記録解像度の違いを見落とします。
4Pの3倍位置には、60mm相当のレンズと専用センサーがあります。広角の映像を切り抜いて大きくする方法とは出発点が違います。ただし、1倍から12倍まで全域を光学ズームするレンズではありません。広角・中望遠の2つのカメラとデジタルズームを組み合わせる仕組みです。公式FAQのレンズ構成・切り替えの説明も確認してください。
編集時に広角から切り出すのと同じなのか、という疑問もあります。例えば、すでに保存した3840×2160の映像の中央を縦横それぞれ3分の1に切ると、元の画素は1280×720になります。これを4Kの大きさに戻しても、撮影時に得た細部そのものは増えません。これは保存済み映像の単純な切り出し計算で、カメラ内部のズーム処理や4Pの実画質を測った結果ではありません。
価値が出るのは、遠い被写体だけではない
広角で人物を大きく写そうとすると、自分が近づく必要があります。近づけば顔と背景の距離関係も変わり、会話している相手との間合いも変わります。中望遠を選べると、その場に立ったまま、見せたい部分を絞る選択肢ができます。
例えば、店の全景を撮ったあと、同行者がメニューを選ぶ表情を撮る。街並みから看板の文字へ、テーブル全体からカップを持つ手元へ。こうしたカットを加えたい人には、中望遠を使う具体的な理由があります。背景の大きさや遠近感は撮影位置でも変わるため、「望遠にすれば必ず映画のようになる」とは考えないほうがよいでしょう。
6倍・12倍は、使えることと仕上がりを分けて考える
「12倍まで寄れる」と「12倍を作品の主役に使える」は別々に確かめたいことです。小さな本体画面で見られても、大きな画面への出力では細部の粗さが気になる場合があります。暗い場所、動く人物、細かな葉や文字など、苦手な条件がどこにあるかを見てから常用倍率を決めるのが現実的です。
このサイトでは、6倍・12倍の実写を同条件で比較していません。そのため、特定倍率を「画質劣化なし」「常用できる」とは評価していません。まず3倍で撮りたい画があるかを軸にし、それより先の倍率は自分の出力先で確認してください。
旅行の1分動画なら、どんな違いになる?
次は画質レビューではなく、撮影構成の提案です。同じ場所でも、撮る距離を変えると編集に使える素材が変わります。
- 到着した場所を広く撮る。街並みや店の入口を入れ、どこにいるかを伝える。
- 同行者の様子を撮る。周囲を一緒に入れるのか、表情を中心にするのかを選ぶ。
- その場所らしい細部を抜く。料理、手元、窓辺の装飾など、見せたいものを一つに絞る。
- 移動を短く挟む。前後のカットをつなぎ、次の場面へ進む。
- もう一度広い画で締める。細部から場所全体へ戻す。
3でこの構成を作れないわけではありません。自分が移動したり、撮る位置を選んだりすれば寄ったカットも作れます。4Pを検討する理由になるのは、毎回近づくのが難しい、相手の動きを止めたくない、広い画と寄った画を短い操作で切り替えたい、という不便がある場合です。
反対に、カメラを自分に向けた会話が中心で、ほとんど広角のまま使うなら、中望遠の出番は少なくなります。旅動画という名前が同じでも、必要な機能は撮影スタイルによって変わります。
細かな進化を見るなら、ズーム操作と追尾をセットで
4Pは、ズームボタンの1回押しで1倍と3倍を切り替え、2回押しで6倍へ移る操作を備えます。長押しのズームインは速度を設定でき、反対側のカスタムボタンの長押しでズームアウトできます。出典:DJI公式FAQ「2つの物理ボタン」
この違いを評価するなら、「ボタンが増えた」で終わらせず、撮影中の手順で考えたいところです。人の表情が変わった瞬間に、画面を見て倍率を選び直す必要があるか。広角に戻したつもりが、違う倍率のままになっていないか。片手で持ったときにも押し分けられるか。使い慣れた3の操作と比べて、迷う回数が減るなら意味があります。
中望遠では写る範囲が狭くなるため、被写体が画面外へ出やすくなります。そこでズームと追尾を組み合わせられるかが重要です。4Pは最大12倍でのActiveTrack対応を案内していますが、複数人物トラッキングを有効にしている間はズーム操作に対応しません。使いたい追尾モードまで含めて確認してください。出典:DJI公式FAQ「複数人物トラッキング」
Pocket 3にもActiveTrackがあります。したがって「追尾が欲しいから4P」という比較では粗すぎます。離れた人物をどの画角で追いたいか、歩く速度や人混みで追尾が続くか、途中で別の人物に移らないか。ここはバージョン番号だけで優劣を決めず、実写確認が必要な部分です。Pocket 3の対応モード・操作
画質の進化は、広角と中望遠を分けて読む
4Pは、広角が1インチ、中望遠が1/1.28インチのセンサーです。同じ本体でも、2つのカメラを同じ条件で評価できるとは限りません。昼の広角がきれいだから夜の中望遠も同じ、と広げて考えないことが大切です。
例えば窓の外が明るい室内では、顔と外の景色をどこまで残せるかが問題になります。4Pの最大17ストップという公表値はD-Log 2での値で、D-Log 2は1倍ズーム時のみの対応です。3倍で人物を撮る場合に、この数値をそのまま当てはめることはできません。出典:DJI公式FAQ「D-Log 2」
Log撮影は、撮ってそのままの見た目だけで選ぶ機能でもありません。色を整える工程を含めて使うものです。Pocket 3も10-bit D-Log Mに対応しているため、3から「色編集が初めて可能になる」という説明は正確ではありません。自分が普段使うカラーモードで困っているのか、編集しても救えない明暗差があるのかを先に確かめましょう。出典:Pocket 3のカラーモード
夜の比較では、静止した看板のノイズだけでなく、歩く人物の顔や髪、明るい照明の輪郭まで見たいところです。画像処理で静止部分がすっきり見えても、動く部分の細部が同じように残るとは限りません。本記事では比較素材がないため、「夜景が圧倒的に良くなった」といった実写評価は行いません。
撮影を重ねるほど効いてくる、3つの小さな差
近接撮影:最短距離と、使いたい画角は別の話
広角の最短撮影距離が短くなると、テーブル上の小物などで構図の選択肢が増えます。ただし、近づけるからといって何でも広角で撮ればよいわけではありません。形を見せたい商品は近づきすぎで遠近感が強まりやすく、手やカメラの影が入ることもあります。「ピントが合う距離」と「見せたい形になる距離」を分けて考えると、機能を活用しやすくなります。
画面:録れているかを確認する回数に関わる
画面の公表輝度の違いは、日中の構図や設定の確認に関係します。ただし、屋外での見やすさは反射、角度、表示内容でも変わります。実機で確かめるなら画面の明るさだけでなく、録画マーク、ピント、残り容量をすぐ読めるかまで見るのが実用的です。
内蔵ストレージ:安心材料になるが、バックアップではない
内蔵の記録先があると、カードをパソコンに挿したまま出かけたときなど、別の保存先を選べます。一方、映像が本体にしかなければ、本体の紛失で素材も失います。帰宅後にMacへ取り込み、別の保存先にも複製する流れは必要です。使い勝手は容量だけでなく、取り込みからバックアップまでの手順で評価してください。
Pocket 3から替える意味がある人、今は使い続けたい人
| いつもの撮り方・困りごと | 判断の軸 |
|---|---|
| 編集で毎回大きく切り抜き、人物や細部が物足りない | 4Pの3倍を優先して検討。最終出力で必要な細部が残るかを確認 |
| 広角と寄りの切り替えで撮り逃す | 画角に加え、専用ボタンと追尾を普段の持ち方で確認 |
| 自撮りの会話と散歩の全景が大半 | まず3を継続。4Pの中望遠を使う場面を具体化してから決める |
| 暗い室内の人物撮影を改善したい | 必要な画角で動く人物の比較素材を確認。センサーの数字だけで買わない |
| そもそも動画が単調に感じる | 短い寄りのカット、音、場面転換を3で試す。機材と構成の課題を分ける |
費用を比べるときは、本体だけでなく、買い直す付属品、必要な記録媒体、マイクを含めます。既存のハンドルやケースが使えるとは決めつけず、正確な型番で対応を確認してください。セット商品は「付属品が多いから得」ではなく、実際に使うものが重複していないかで見ます。
初めて買う人なら、3の不足を経験していないぶん、完成させたい動画から逆算するほうが判断しやすくなります。広角の会話が中心なのか、場所・人物・手元を撮り分けたいのか。後者がはっきりしていれば、4Pの中望遠を使う計画を立てられます。
店頭や手元で比較するなら、この5カット
「どれくらい違うのか」を自分で確かめるための確認手順です。当サイトが撮影を実施した結果ではありません。
- 同じ場所から人物を撮る。3の1倍・2倍と4Pの1倍・3倍を分けて保存。画角の違いを見たあと、同じ被写体サイズにそろえた比較も作る。
- 小さな文字や布地を撮る。使う予定の倍率で、最終的に見るスマホやモニターに表示。輪郭だけでなく細かな模様を確認する。
- 明暗差のある場所で歩く人物を撮る。同じ解像度・フレームレート・カラーモードで始め、露出・ホワイトバランスの違いを記録する。
- 広角→中望遠→広角と切り替える。構図を戻す手間、ピント・明るさ・色の変化、ボタンの押しやすさを見る。
- Macで短い動画に仕上げる。取り込み、色合わせ、書き出しまで進め、撮影だけでなく編集の負担も比較する。
結果を残すときは、撮影日時、ファームウェア、設定、倍率、光の条件も記録すると再確認できます。被写体サイズをそろえるためにカメラの位置を変えた場合は、そのことも分けて記載しましょう。
4Pの買い替え価値は、いつもの動画が一律に別物になることより、これまで省いていた寄りのカットを撮れるかにあります。過去の動画に「ここで表情を抜きたかった」「この細部を見せたかった」が何度もあるなら、3倍の画角と操作を確かめる価値があります。そうした不満が少なければ、3を使い続ける判断にも十分な理由があります。
公式情報・確認日
最終確認:2026年9月27日。リンク先はメーカー等の公式情報です。仕様・販売条件は変更されることがあります。